『おれはティラノサウルスだ』

タイトル: おれはティラノサウルスだ

作者: 宮西達也

出版社: ポプラ社

絵本のツボと特徴・魅力

プラテノドンが、親から独立しようとした時にティラノサウルスと遭遇。プラテノドンのことを食べようと企てていたティラノサウルスが、自然のアクシデントによりプラテノドンのこに介抱されることで心境が変化するところが、この絵本のツボ。ティラノザウルスとして生きるために培われた欲望(命ある生き物を食べる)から、助けられたことによる新たな心境(友達・感謝・お礼)の変化があっても、ティラノサウルスとしての今までのふるまい(欲望)が周囲に作用し、影響(ティラノサウルスに食べられる)を与え、気持ちが伝えられないまま、相手(プラテノドンのこ)が去る。そのことでティラノサウルスは、満たされない思いだけが募るという心境は、現実の社会でもありそうな話。他者からの優しさを初めて味わった後に知る、伝えられなかった思いを前に、妙にティラノサウルスの切なさを感じてしましました。
この絵本のおすすめは、塚本浩美

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